学習データ数と認識精度の関係

パドック画像から競走馬の距離適性を推測する学習をしてみたけど性能が全然よくない…!  

ヒィィ (ノ゚ρ゚)ノ

う〜ん、やっぱりデータのサンプル数が少なすぎるのかな・・

ということでchainerのCIFAR-10のサンプルコードを使って学習データ数と認識精度の関係をちょっと調べてみました。

実験条件
  • epoch数: 100
  • 学習データ数: 1000, 3000, 5000, 10000, 50000
結果

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やっぱり、機械学習の世界では 数は性能なり なんですね。。

CUDAを7.5から8.0にアップグレード

Udacityのディープラーニング講座の中で使うTensorFlowのバージョンが1.0となっていてCUDA7.5だと動かない… (>_<)

ということで自宅PCのCUDAを7.5から8.0にアップグレードしました。

今まで自分にとって開発環境のアップグレードは鬼門で 今まで動いていたものがいろいろ動かなくなって

ああ、やらんかったらよかった…

ということが多々あったのですが今回はあまりにもスムーズでうれしかったのでメモを残します。(´ー`)

CUDA8.0のインストール

  1. NVIDIAのダウンロードサイトからCUDAをダウンロードしてきます。

    自分のPCにあったものを選択します。Ubuntu14.04用は https://developer.nvidia.com/compute/cuda/8.0/Prod2/local_installers/cuda_8.0.61_375.26_linux-run

  2. ダウンロードしたスクリプトを実行
chmod a+x cuda_8.0.61_375.26_linux-run
sudo service lightdm stop # Stop X-Server
sudo bash ./cuda_8.0.61_375.26_linux.run --silent --no-opengl-libs --toolkit

1分ぐらい待つと何のメッセージ出力がなく終了します。

えっ?( ´・д・)

と思うぐらい拍子抜けです。

続いて以下のコマンドでCUDAがインストールされていることを確認します。

nvidia-smi # check GPU is available
nvcc -V # cuda version should be 8.0

cuDNN(v5.1)のインストール

続いてcuDNNをインストール。こちらもNVIDIAのサイトからダウンロードしてきます。 cuDNNはNVIDIAのユーザー登録が必要です。

ユーザー登録面倒な方はこちらからダウンロードしてください http://momonoki.blob.core.windows.net/data/cudnn/cudnn-8.0-linux-x64-v5.1.tgz

tar xvfz cudnn-8.0-linux-x64-v5.1.tgz
cat /usr/local/cuda/version.txt # /usr/local/cudaがcuda-8.0へのリンクになっていることを確認
sudo cp cuda/include/cudnn.h /usr/local/cuda/include
sudo cp cuda/lib64/* /usr/local/cuda/lib64

chainerやTensorFlowの再インストール

そのままだとCUDAのバージョン不一致で動かないので一度アンインストールしてからインストールします。

# reinstall chainer
pip uninstall chainer
pip install chainer

# reinstall TensorFlow
pip uninstall tensorflow
pip install tensorflow-gpu

再インストールしたらMNISTのサンプル等でGPUありで動くかを確認します。

以上です。

これで AWSGPUインスタンス(何かびびってしまう。。)を使わずに自宅PCで課題を進められます。 (*´Д`)

ディープラーニング学習メモ #4 誤差の逆伝搬

今日は誤差逆伝搬法(Backpropagation)について書いてみます。

Karpathy先生のCS231nの講義が秀逸すぎるのでそれを見れば十分です! (◍•ᴗ•◍)

これではあんまりなので特に覚えておきたいポイントをまとめてみようと思います。。

global勾配にlocal勾配を掛けて次のノードにエラーの誤差を伝搬させる

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微分の連鎖律(チェインルール)です。

基本的な演算での伝搬を覚えよう

Add演算はそのまま誤差を伝搬させる

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Mul演算は互いの値をクロスに掛けて誤差を伝搬させる

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Max演算は値が大きい方へのみ誤差を伝搬させる

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分岐ノードは誤差を加算する

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RNNのhiddenノードも出力層からの誤差と次のRNNセルからの誤差が加算されます。(hは次のRNNセルへの入力でもあるため)

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ベクトルの場合も同じ

computational graph network layer graph
f:id:sanshonoki:20170323051220j:plain:w400 f:id:sanshonoki:20170323051243j:plain:w200

入力がベクトルの場合も同じです。ただ、行列(W)の次元を考慮する必要があります。 掛け算するために転置(T)をしたり、掛ける順番を考慮しないと怒られます..。

ポイント
  • あるノードでの順方向(X)と逆方向(dX)の次元は同じ(当たり前だけど)
  • 出力されるべき次元に合わせて転置や掛ける順番を考える (紙に書けというアドバイスをよく見かける。地道に慣れろということ)
  • この例では W は (outsize, insize) になっているが実際のフレームワークでは W は基本的に (insize, outsize) という次元になる。バッチ単位で処理するため

個人的には computational グラフで考えると誤差の伝搬が計算しやすいです。

バッチ単位で考えたとき

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このようにバッチ単位でまとめて行列計算したいときは W は (insize, outsize) となります。 また、WX ではなく D = XW と掛け算します。

今回はここまでです。 マウスで文字を書くのつらい.. (ノ゚ο゚)ノ

ディープラーニング学習メモ #3 誤差と微分

誤差関数の最小化問題

機械学習が何をやっているか、、一言で言えば 誤差を最小化する Wを見つける ということになります。

関数の最小値を求めると言えば高校の数学でも微分を使って最小値を求めていましたが、機械学習の最小化問題は枠組みが少し違っています。

高校の数学 機械学習
L'(w) = 0 となる w を 直接的に計算する あるwが与えられたとき、L'(w) が 0 に近づく wを動かす向き を見つける
 L = w^{2} のとき  \frac{dL}{dw} = 2w

 \frac{dL}{dw}  = 0 となるのは  w = 0 のとき

このとき、最小値  L(0) = 0
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右図のように勾配(gradient)を計算して変数を更新していきます。 実際には誤差関数はいくつかの変数からなる関数なので偏微分(partial derivative)で勾配を求めます。

いずれにせよ、微分は知っておく必要があります。。┗(`・∀・´●)

合成関数の偏微分

実際にはいくつもの演算が組み合わさった結果を微分することになるので目的の変数の勾配を計算するにはチェインルール(連鎖律)を知っておく必要があります。

マストです。。 (゜ロ゜)

計算例

 y = wx + b L(w, b) = \frac{(t - y)^{2}}{2} であるとき

 d = t - y とおくと  L = d^{2} / 2


 \frac{\delta L}{\delta w} = \frac{\delta L}{\delta d} * \frac{\delta d}{\delta w}

 = \frac{\delta (d^{2} / 2) }{\delta d} * ( \frac{\delta d}{\delta y} * \frac{\delta y}{\delta w} )

 = d * \frac{\delta (t - y)}{\delta y} * \frac{\delta (wx + b)}{\delta w}

 = d * -1 * x

 = (y - t) * x

イメージ

個人的にはPFNの岡野原さんのスライドがイメージを掴みやすかったです。

IIBMP2016 深層生成モデルによる表現学習

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覚えておきたい基本的な微分の計算

とりあえず、以下を知っていれば大抵は何とかなるはず・・・

関数 導関数
 ax  a
 x + c  1
 x^{2}  2x
 \frac{1}{x}  -\frac{1}{x^{2}}
 e^{x}  e^{x}
 \log x  \frac{1}{x}

勾配降下法(gradient descent)の実装サンプル

クラッチで実装すると自信がつく気がします。。 (o・ω・o)

github.com

競走馬の距離適性を計算する

前回パドック画像を収集しました。今回は各パドック画像のラベリングを行い学習データを作ります。

距離適性の計算

これまたnetkeibaにお世話になります。m(._.*)m

netkeibaの各馬のデータには 適性レビュー というデータがあります。 この適性レビューの 距離適性のパラメータ を利用します。

例えば、オルフェーヴルの距離適性のデータは以下のようになっています。 距離適性が 短い/長い のバーの長さの割合で表現されています。

f:id:sanshonoki:20170305072822p:plain:w400

htmlコードを見てみます。

f:id:sanshonoki:20170305073742p:plain

“短い” と “長い” のバーの長さが widthの数値で取得できそうです。(^○^)

  • 短い: 43
  • 長い: 73

距離適性は次式

 73 / (43 + 73) =  0.6293103448275862

で計算します。

この値が 0.0 に近ければ 短距離馬 で 1.0 に近ければ 長距離馬 になります。

距離適性の取得

馬名を入力として 先ほどの距離適性の値を取得します。 使ったコードはこちらにあります。

github.com

結果と分類

2525頭分の計算結果は https://github.com/tanakatsu/netkeiba_distance_aptitude/blob/master/sample.sorted_score.txt

になります。

私の肌感覚でざっくり分類すると、

category score
長距離 0.6-
中距離 0.4-0.59
マイラー 0.2-0.39
短距離 -0.19

っていうところでしょうか。

ただ、明確に線引きすることは難しそうなので長距離と短距離の分類(Classification)とかではなく回帰(Regression)として扱うのがよさそうです。

次はいよいよ学習です。 ((((o゚▽゚)o)))

ディープラーニング学習メモ #2 行列の積

UdacityのDeepLearning基礎コース、Week3以降は週5-6時間程度でレッスンコンテンツは一通りはこなせています。 ただ、後でしっかり復習しないと身につかない感じはあります。。 そりゃそうですよね、、世の中そんなに甘くない。(;^_^A

今日は行列の積についてメモを残します。

dot演算とelementwise演算

dot演算

学校の授業で習ったいわゆる行列の掛け算はdot演算と呼ばれるものになります。

  • 行列A (m,n) * 行列B (n, p) = 行列C (m, p)
  • Aの列数とBの行数を合わせる必要がある
  • 積ABの要素ij は Aのi行とBのj列の畳み込み

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elementwise演算 (*演算)

elementwise演算は 単純に要素同士を掛け算するだけです。

  • 積ABの要素ij は Aの要素ijとBの要素ijの掛け算
  • 厳密には A、Bの行数と列数が同じでないと掛け算できない
  • ただし、numpyにはブロードキャストという仕組みがあるので列数と行数が一致していなくても演算可能(な場合がある)

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numpyにはブロードキャストという仕組みがあるので列数と行数が一致していなくても演算可能になっています。ここが混乱しどころです。これは numpyが演算するときにサイズを変換してくれるためです。

ブロードキャスト

ブロードキャストできるかどうか? Broadcasting — NumPy v1.12 Manual

  • ベクトル (n,) は行ベクトル (1,n) として扱う
  • 各軸の次元が同じまたはどちらかが1
*演算 dot演算
(m, 1) x (1, n) ok ok
(m, 1) x (n, 1) NG NG
(m, 1) x (n,) ok NG
(n,) x (m, 1) ok NG

okのパターンでは (m, n)の行列が出力されます。

使いどころ

ディープラーニングで出てくる計算の中で2種類の掛け算をどう使い分けるのか、、、

ざっくりまとめてみました。

*演算 dot演算
1つのノード内での計算
(シグモイドの微分計算etc)
複数ノード間の計算
(重みWとベクトルとの計算)
例1: シグモイドの微分  \sigma'(h) = \sigma(h) * (1 - \sigma(h))
例2: 入力誤差の伝搬  (\delta W^{T}) * \sigma'(h)
例1: 順伝搬  {Wx}
例2: 入力誤差の計算  \delta W^{T}
例3: 誤差から {\Delta W}を計算  \delta x^{T}

入力の次元数と出力の次元数が同じときは *演算 と考えていいです。

dot演算の例3では 入力が1次元のベクトルの場合に、*演算としても計算可能ですが2次元以上の場合に計算できないので dot演算として考えるのが無難でしょう。

競走馬のパドック画像を収集する

次の例のようにCNN (Convolutional Neural Network) で何か面白い分類をやってみたい

gigazine.net

MNISTやCifar10と言ったような練習用のありきたりのデータではなく何かcoolな題材はないかな〜と考えていたところ、、

馬体から短距離馬と長距離馬を見分けられたら面白いのではないか?(また、競馬かよ)

そう、短距離馬と長距離馬は首筋の長さ、太さで特徴が違うのです。

もしかしたらディープラーニングで見分けられるかも〜?!   ¨キ(o゚Д゚o)¨キ

ということで、パドック画像を探してみます。パドック画像だけを取りまとめているリソースがなかなか見つかりませんでしたが、、、

ありました! 競馬道のサイトの競馬ブックコーナーです。ヽ( ´¬`)ノ

早速、クローラを実装して画像を収集させていただきました。ソースコードはこちらにあります。

github.com

2001年より前はフォーマットが違っていて以下のように写真の中に文字も含まれてしまうので2002年以降の写真を収集しました。

http://www.keibado.ne.jp/keibabook/010109/photop.html http://www.keibado.ne.jp/keibabook/010109/images/pp01.jpg

2017年1/23時点で のべ頭数 8707頭、ユニーク頭数としては 2528頭分の画像を収集できました。

収集した画像はこちらからダウンロードできます。

今回はここまでです。